2005年10月

2005年10月25日

樹木の価値を考える

 イギリスに、「コックは味付けの失敗をマヨネーズで隠し、建築家はアイビーで隠す、そして医者は土で隠す」という格言があります。医者が治療の失敗を「死人に口無し」で済ますとは怖い話ですが、建築の場合は妙を得た格言と思います。
 どんなにきれいな住まいを造っても緑のないたたずまいは味気の無いものです。ですから、住宅を設計する時は庭も一緒に考え、風情のあるたたずまいになるよう提案してきました。もっとも、樹木に関しては専門家でありませんのでこの辺にグランドカバーの緑、ここは中木、この辺に高木と、基本的なレイアウトにとどまり後は専門家にお任せです。そんな風に、いままでは、樹木は住宅を引き立てるアプリケーションの一部と考えていました。
 しかし、そんな考えも、ある講演会での話をきっかけに変わってきました。その話とはチームネットの甲斐さんがプロデュースした環境共生型住宅「経堂の杜」「欅ハウス」の事例紹介です。これらの事例は樹木を建築の一部として考え、樹木の緑陰効果を積極的に利用し、涼しく豊かな住宅環境を造った話しです。(詳しくはこちらの書籍 → 「まちに森をつくって住む」発行:OM出版) 
 これまでは、暑さ寒さ対策として建物の断熱や気密性能を高めるハード的な面にしか考えが及びませんでしたが、樹木を上手に配置すると外から快適な室内環境が造れるという効果を知ってからは植栽のあり方に新たな価値を知らされました。
 個々の住まいが樹木を効果的に配置することにより、連鎖効果が生じ、やがては緑豊かな街並みが出来上がります。近年問題になっているヒートアイランド現象への抑制効果にも繋がります。そんな、緑の価値を積極的に利用し、涼しい街を造ろうという行政(千葉県流山市「流山グリーンチェーン戦略」)も出てきました。
 私も、建物性能だけでなく外部環境も取り込んだ快適住まい造りを目指したいと思いをめぐらせている昨今です。皆さんも樹木のあり方をあらためて考えてみたらいかがでしょうか?
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nobu347 at 08:39|PermalinkComments(4)TrackBack(0)家づくりのポリシー